シャッターの鍵が固くて回らない。そんな時、焦りからつい力任せに回そうとしてしまいがちですが、その行動が、かえって事態を深刻化させてしまう可能性があります。まずは深呼吸をして、いくつかの応急処置を試してみましょう。そして、絶対にやってはいけないNG行動を避けることが、被害を最小限に食い止めるための鍵となります。まず、自分で試せる応急処置です。鍵が回らない原因が、鍵穴内部のホコリや小さなゴミである場合、これらを吹き飛ばすことで改善されることがあります。最も手軽なのが、パソコンのキーボード清掃などに使われる「エアダスター」です。鍵穴にノズルを差し込み、数回噴射して、内部のゴミを吹き飛ばします。掃除機のノズルを鍵穴に当てて吸い出す、という方法も、ある程度の効果が期待できます。次に、鍵の動き自体が渋い場合は、潤滑剤の使用が有効です。ただし、ここで絶対にやってはいけないNG行動が、「市販の機械用潤滑油(CRCなど)や、サラダ油などを注入する」ことです。これらの粘度が高い油は、一時的に滑りを良くしますが、すぐに鍵穴内部でホコリと混ざって粘土状に固着し、状況をさらに悪化させる最悪の原因となります。必ず、速乾性があり、ベタつかない「鍵穴専用の潤滑パウダースプレー」を使用してください。これを鍵穴に少量吹き付け、鍵を数回抜き差しすることで、内部の滑りが改善されます。また、シャッターの建付けのズレが原因で、かんぬきに圧力がかかっている場合は、シャッターのスラットを上下左右に少し揺さぶったり、持ち上げたりしながら、同時に鍵をゆっくりと回してみてください。これにより、一時的にかんぬきへの圧力が抜け、鍵が回ることがあります。これらの応急処置を試しても改善しない場合は、それ以上の自力での対処は諦めるのが賢明です。特に、「鍵をペンチで掴んで無理やり回す」という行為は、鍵が折れてしまう最悪の事態を招きます。鍵が鍵穴の中で折れてしまえば、もはや素人では対処不能となり、高額な修理費用に繋がります。自分でできる範囲を超えたと判断したら、速やかに専門の鍵業者に助けを求める。その冷静な判断が、最も重要なのです。
シャッターの鍵が回らない時の応急処置とNG行動