毎日、雨風や砂埃にさらされながら、私たちの財産を守ってくれているシャッターの鍵。その過酷な環境にもかかわらず、私たちはつい、そのメンテナンスを怠りがちです。しかし、この小さな鍵のメンテナンスを怠ることが、ある日突然「シャッターが開かない」という、業務や生活に支障をきたす大きなトラブルを引き起こす原因となります。そうした事態を未然に防ぎ、シャッターの鍵を長く、そしてスムーズに使い続けるためには、日頃からの簡単なメンテナンスが非常に重要です。まず、誰でも簡単にできる最も基本的なメンテナンスが、「鍵穴の清掃」です。屋外に設置されたシャッターの鍵穴には、目に見えない砂埃や金属粉が絶えず蓄積していきます。これらを定期的に取り除くだけで、鍵の動きは格段に良くなります。最も効果的なのは、エアダスターを使って、鍵穴内部のゴミを強力な空気で吹き飛ばすことです。もし、エアダスターがなければ、掃除機のノズルを隙間モードにして、鍵穴に当てて吸い出すだけでも効果があります。この清掃を、数ヶ月に一度行うだけでも、鍵の寿命は大きく変わってきます。次に、鍵の回転が渋くなってきたと感じた時に行うのが、「潤滑剤の注入」です。ただし、ここで絶対に注意しなければならないのは、使用する潤滑剤の種類です。多くの人がやってしまいがちな間違いが、粘度の高い機械用潤滑油(CRCなど)を使ってしまうこと。これは、ホコリを吸着して固まり、最終的に鍵穴を詰まらせる最悪の原因となります。必ず、鍵穴専用に作られた、速乾性があり、ホコリが付着しにくい「パウダースプレータイプ」の潤滑剤を使用してください。これを鍵穴にワンプッシュし、鍵を数回抜き差しして内部に馴染ませるだけで、驚くほど動きがスムーズになります。また、鍵本体のメンテナンスも忘れてはなりません。鍵のギザギザの部分に付着した汚れを、使い古しの歯ブラシなどで優しくこすり落とすだけでも、鍵穴内部への汚れの侵入を防ぐことができます。これらのメンテナンスは、どれも専門的な知識を必要としない、簡単な作業です。ほんの少しの手間と気配りが、シャッターの鍵をトラブルから守り、日々の安心な開閉を約束してくれるのです。
シャッターの鍵をメンテナンスする重要性